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不足が原因
運動不足によりぜん動運動が低下し、水分不足で便が固くなる。食物繊維の不足も便秘の原因となっている。
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便秘の特徴
排便できなくなるというのが最大の特徴。さらに、腹痛やお腹が膨らむ事や食欲不振や吐き気がある。
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便秘がおこす他の症状
便秘が悪化すると、口臭や体臭が悪化する。さらに深刻になると高血圧症や腸の病気を引き起こす
The便秘
2011-11-24UPDATE
mnrchan
人間の身体は、非常に精密で複雑な構造になっているといわれています。肝臓と同じ働きをする機械を作ろうとすると、東京都と同じくらいの面積になってしまうという話があるほどです。
しかし、それほどに精密で複雑な構造であるがゆえに単純な原因で調子を崩してしまうこともしばしばです。便秘は、そんな不調の原因の一つなのです。
そもそも、排便は身体を正常に保つために必要な食事に連動して行われる消化システムの集大成です。消化システムは、身体を保つための栄養分を摂取するだけでなく「食べる」という行為によって精神を安定させる効果まで包括した、複雑かつ精妙な構造を持っています。
「食事を取る」という行為を行うまでに、私たちの身体の中では様々な信号が脳に送られています。空腹感や目や鼻で感じた美味しそうな料理の情報などを信号として脳が受け取り、食欲を活性化させます。
食欲は食事をする原動力となり、食べ物を口中に運ばせます。食べ物の美味しさは味だけでなく、歯ごたえや舌触りといった口中で感じられる食感が加味されます。口中に運ばれた食べ物は歯で細かくすり潰され、分泌された唾液と混ぜ合わされて食道に送り込まれます。
食道から胃に運ばれた食べ物は、酸性の胃液で溶かされていきます。胃液の作用で消化された食べ物は、流動物となり腸に送り込みやすくなるのです。
また、唾液や胃液などの消化液によって、食べ物に含まれていた栄養分は分解が進み吸収しやすい状態にどんどん近づいていきます。
胃に隣接する十二指腸で胆汁などの消化液と混合された食べ物は、いよいよ消化物として腸に送り込まれることになります。小腸内では消化と栄養分の吸収が行われます。便の茶褐色は、十二指腸で混合された胆汁の作用によるものです。
小腸で吸収し切れなかった栄養素と水分は、大腸で吸収されます。大腸内に生息する100兆個に及ぶ腸内細菌の作用によって、栄養素の分解・吸収が行われていきます。大腸のヒダで水分を吸収された消化物の残り滓は大便として直腸に運ばれ、肛門から排泄されます。これが消化のメカニズムの全てです。
便秘の主な原因の中には、「不足」というキーワードが存在しています。たとえば、「運動不足」は腹筋の筋力を弱め、腸の蠕動運動を低下させます。これによって、便の通過速度が遅くなり便の水分が大腸内で過剰に吸収された結果、便が硬くなって出にくくなるのです。
このような硬い便は「水分不足」でも引き起こされます。また、食物繊維が不足している食生活や食べる量が少ない食生活は、便秘の原因にもなります。
しかしこのような「不足」だけが便秘の原因ではなく、ストレスによるホルモンバランスの乱れや投薬治療の副作用、加齢による腸機能の低下なども便秘の原因に繋がります。また、痔持ちの人が排便時の痛みで便秘になるケースもあります。
便秘の主な症状は、「排便がされない」というところにあります。医学的な定義では「三日に一度以下の排便」は便秘として取り扱われます。
便秘によって引き起こされる症状としては腹痛が挙げられます。排泄されない便が腸に残り続けることによって、腸が膨らんでお腹が出てくるのも特徴的な症状です。また、便秘に連動する形で食欲不振や吐き気を引き起こすことがあります。
便秘状態が長く続くと、腸内の便が様々な病気の温床へとなっていきます。腸内に住む悪玉菌が便を腐敗させて、不調の原因を作り出すようになります。
くすみやシワ、吹き出物といった肌のトラブルを引き起こし、口臭や体臭の悪化を招きます。
それに加えて腸内環境の悪化によって、大腸ガンなどの腸の病気を引き起こすことがあります。また、排便する際には腸内の圧力を変化させるためにいきみますが、便秘の状態でいきむことで血圧が高まり、脳血管の疾患を引き起こす恐れがあります。
このように、便秘は命に関わることが充分にありうるのです。