The便秘
mnrchan
便秘に置ける男女比は学童期までは男女ともに差が無いのですが、成人すると女性のほうが圧倒的に多くなることがわかっています。そんな女性にとっての悩みである便秘は、女性にしか出来ない妊娠によって変化が現れることをご存知でしょうか? 妊娠と便秘の知られざる相関関係について解説していきます!
妊娠と便秘の関係とは?
女性が便秘になりやすい理由として挙げられるのは、「男性との骨盤の大きさの違い」があります。女性は子宮で赤ちゃんを育てる能力があるため、男性よりも痛みに強く子宮を支える骨盤が大きめになっていることが知られています。しかし、その骨盤の大きさの違いが腸の機能不全につながりやすく、便秘を引き起こしてしまうのです。
妊娠で便秘になる?
男性よりも便秘になりやすいとはいえ、便秘に悩んだことが無いという女性も確実に存在しています。しかし、そんな便秘とは無縁の女性であっても妊娠した途端に便秘に苦しめられた、というケースが幾つもあるのです。
原因としては、胎児が育つために必要なスペースを子宮が占有することで、子宮周辺の臓器である大腸の伸縮性が阻害されてしまうことにあります。
大腸は排泄の際に伸縮による蠕動運動を行って、便を直腸に移行させているので妊娠が原因で便秘になることは珍しくないのです。
また、妊娠すると黄体ホルモンという、妊娠に適した身体に変えるホルモンが分泌されやすくなります。黄体ホルモンの影響を受けると腸の機能が低下し、大腸での水分吸収が盛んになるため便秘を起こしやすくなるのです。
妊娠して便秘解消?
基本的に、妊娠すると腹部の余剰スペースが子宮に取られる事で便秘を起こしやすくなります。しかし、逆に妊娠初期に便秘の症状が改善したというケースが存在しているようです。
このような「妊娠による便秘解消」現象は、便秘の原因となっていたホルモンバランスの崩れが妊娠によって改善されたことによって起こるのではないかと考えられます。
または、大腸が子宮に圧迫されることで便を押し出したということも考えられますが理由は定かではないようです。
妊娠と痔
便秘になると、排泄がスムーズに行かなくなるため強くいきんでしまうことがあります。このいきみによってお腹の圧力(腹圧)が強まって便が押し出されていくのですが、同時に肛門にうっ血を起こしてしまうことがあります。
このうっ血によって出来た瘤がいわゆる「イボ痔」の正体です。女性はとくに、出産する時に顔の毛細血管が切れるほどにいきむことがあるので、「妊娠すると便秘と痔がついてくる」と言われるほど便秘や痔で悩まされることがあります。
妊娠時の便秘対策
便秘のもたらす不調は、お腹の中で育っている赤ちゃんにとって大変な負担になることがあります。だからこそ、妊娠中の便秘はしっかり解消することが大事なのです。
便秘薬は厳禁
妊娠中は、投薬による治療を出来るだけ避ける傾向にあるのはお腹の中の赤ちゃんに薬の影響が出やすいからです。
妊娠中、赤ちゃんは胎盤という臓器を通して母親が摂取した栄養を分けてもらっています。胎盤は胎児の免疫機構として機能しているのですが、薬品を素通りさせてしまうという特徴を併せ持っています。
そのため母親にとっては適正量の投薬であっても、身体が小さい赤ちゃんには危険な分量が投薬されたことになってしまうのです。また、治療薬の中には子宮を収縮させる副作用を持っているものもあるため、軽はずみな使用は慎むべきです。
便秘解消のために
妊娠中の便秘は、必然的に運動や食事などで改善・解消していくことになります。特に、妊娠中は身体を動かすのが億劫になったり運動し過ぎたりしてしまうので、時期に合わせた適度な運動をするように心がける必要があります。
食事面では、乳酸菌や食物繊維といった便秘の改善に効果のある成分を含む食材を摂取するのが有効です。しかし、食事や運動で便秘の症状が改善されない場合は、浣腸で排便を促進する必要があります。