The便秘
mnrchan
「何か病気にかかったのではないか」と感じた時、病院に行くよりも先に常備薬に頼る人も少なくないのではないかと思います。常備薬があるということは、一種の安心感をもたらしてくれるといえます。
ここでは、便秘になった時に頼れる便秘薬の種類と使い方を紹介していきます。
便秘薬を知る
便秘の解消に使われる便秘薬は、俗に「下剤」といわれますが、これは下痢の同義語である「腹を下す」から来ている名称です。正式には「寫下薬(しゃげやく)」といいます。
効果
便秘薬の効果は、「便通を改善すること」にあります。しかし、薬の効果が出た結果「便が出たが、便意が治まらなかった」という下痢に近い状態になることがあります。薬に付き物である副作用も、便秘薬の成分によって異なることがあり持病がある人にとっては大変危険な場合もあるのです。
便秘の種類
実は便秘には、いくつかの種類があります。便秘の種類に応じた薬を使用することが一番大事なのです。
弛緩性便秘
弛緩性便秘は、大腸の筋肉が弛み便の直腸への移動速度が遅くなり、水分が少ない硬い便になりやすくなる便秘です。高齢者や妊婦などの筋力が弱まった人に多く見られ、便秘薬を多用している人にも見られる症状です。
直腸性便秘
直腸性便秘は、便意を感じても便意がなくなるまで我慢を続けていることが原因で便意反射が弱まって起こる便秘です。
痙攣性便秘
痙攣性便秘は、ストレスなどで腸の機能が低下することで便通が悪くなる便秘です。過敏性腸症候群の症状として見られ、ウサギのような丸い便を伴うのが特徴です。
便秘薬の種類
そもそも薬というものは、症状に合わせて使うべきものです。便秘薬も、「TVなどで宣伝しているから」と安易に選んで使用するべきではないのです。病気の治療中や妊娠中は医師の診断のもとで処方された便秘薬を使いましょう。
薬の種類
便秘薬として使用されている薬は、「塩類下剤」「糖類下剤」「浸潤性下剤」「膨張性下剤」「刺激性下剤」「自律神経作用薬」に分類されます。広義の便秘薬には、これらの薬に加えて浣腸が含まれます。
塩類下剤
塩化下剤はマグネシウム化合物やナトリウム化合物を成分としており、浸透圧の作用で腸内の水分を留め刺激によって蠕動運動を活発にさせる効果を持っています。即効性が高いのが特徴です。
糖類下剤
糖類下剤は、胃や小腸で分解・吸収されること無く大腸に運ばれる性質を持っています。大腸に到達すると分解され、便を酸性化させ浸透圧作用で排便を促進させます。糖尿病を患っている場合は血圧降下を起こすことがあります。
浸潤性下剤
浸潤性下剤は、便の表面張力を低下させて腸を通過しやすくする性質があります。副作用が少ない分、効果も少ないため刺激性下剤と併用するのが一般的です。脂溶性ビタミン剤を服用している場合、ビタミンの吸収を阻害することがあります。
膨張性下剤
膨張性下剤は、便を内部から柔らかくして体積を大きくする性質を持っています。柔らかくなった便は水分を吸収しやすくなる上、膨張した刺激で便意を起こす性質があります。しかし、妊娠中に使用すると子宮の収縮を起こす恐れがあります。
刺激性下剤
刺激性下剤は、腸壁に直接刺激を与えて便意を促す効果があります。副作用も少なく、妊婦にも使用できるのが長所です。
自律神経作用薬
自律神経作用薬は、自律神経に作用して腸の蠕動運動をコントロールする効果があります。弛緩性便秘には副交感神経を刺激するタイプ、痙攣性便秘には交感神経を刺激するタイプが使用されます。