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腸内洗浄とは
腸内洗浄とは肛門から薬液を入れ、便通を良くするために行なう医療行為。歴史もあり古代エジプトでも行なわれていた。
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飲み物を使ったもの
最近では薬液の代わりに『コーヒー』を使用したものもある。大腸がんの予防になると言われている。
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腸内洗浄の注意点
便秘により腸内洗浄を何度も行なうと、便意反射という本来の力が鈍くなりさらに排便がしにくくなるという事になる。
The便秘
2011-11-29UPDATE
mnrchan
腸内洗浄は、医療行為における浣腸と同じものです。浣腸は、肛門からグリセリンなどの薬液を注入して便通を良くする便秘解消のための医療行為です。家庭でも使い捨てタイプの浣腸器を使用して行う場合があります。
医療行為としての浣腸の起源は、紀元前1500年ごろの古代エジプトにまで遡れるといわれています。その後、浣腸は古代エジプトから古代ギリシャに伝わり、世界中に広まっていきます。
日本に浣腸が伝来したのは、海外の文化が伝わるようになった戦国時代ごろのことで、江戸時代ごろには医療行為として医師によって行われていたという記録があります。
浣腸は、肛門から注入された薬液が便に水分を与えて柔らかくすることと、腸壁に刺激を与えて蠕動運動を活発にすることで便秘を解消する効果を持っています。浣腸用の薬液として使用されるグリセリンには潤滑剤としての効果があり、便が腸内をスムーズに移動できるようにすることで、便秘の解消に一役買っているのです。
腸内洗浄の効果は、浣腸と同じく「便秘の解消」であるといえます。便秘になりやすい女性にとって、この効果はとても魅力的なものであるといえます。便秘が原因で起こる体調不良や肌荒れ、吹き出物なども連鎖的に解消されるのも腸内洗浄の人気を高めているといえます。
また、薬液の代わりに濃度を調節したコーヒーを使用して行う「コーヒー浣腸」は、大腸ガンを予防する効果があるとされています。
腸内洗浄の効果として喧伝されているものに、「宿便の排出によるデトックス」があります。宿便とは腸壁のヒダにこびりついた黒っぽい古い便のことで、肌荒れや病気の原因になるとされています。腸内洗浄はこの宿便を体外に排出する効果があるといわれています。
また、宿便を排出すると体重が落ちるのでダイエット効果も期待できるといわれています。実際には、「宿便」というものは医学的には存在しないものであるといえます。腸壁からは常に粘液が分泌されていて便がこびりつくことはないし、腸壁に便がついても蠕動運動で剥がされるためです。
腸内洗浄は浣腸と同じなので、薬事法に基づく医療機関で行う必要がありますが、一部のエステティックサロンでも腸内洗浄が受けられる場合があります。
腸内洗浄は、チューブを肛門から腸内に挿入して薬液を注入していきます。しかし、このチューブを挿入する際に腸に傷をつける危険性があります。腸に傷があると、グリセリンが血中に浸透しやすくなり、腎不全などを引き起こす恐れがあります。また、圧力で薬液を腸内に注入する方法で大腸が破裂したというケースもあります。
腸内洗浄を繰り返し行っていると、便が直腸に達することで起こる便意反射が鈍くなり自分で排便を行う力が弱くなってしまうことがあります。
元々、浣腸は便秘に対して行う医療行為なので、習慣的に行うものではないのです。通信販売などでは、「家庭でも出来る腸内洗浄キット」が販売されていることがありますが、出来れば専門家と相談をした上で使用するのが無難でしょう。