The便秘
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食物繊維は、野菜や海草などに含まれる「消化できない食品成分」であり、腸内をきれいにする役割を持っています。この食物繊維は腸内でどのような働きをし、どのように便秘を解消しているのでしょうか? 歴史や含有している食品、効果的な摂取法など食物繊維についての情報を紹介していきます。
食物繊維を知る
日本で「食物繊維は身体に良い」という認識が生まれたのは20年ほど前のことではなかったでしょうか。食物繊維配合飲料の登場は、ダイエットや便秘に悩む女性たちに食物繊維が浸透する切掛けだったと思います。
性質
食物繊維は、野菜の葉や海草やキノコなどに含まれている成分で、化学的には多糖類に分類されます。多糖類はブドウ糖の分子が複雑に結合したもので、デンプンなども多糖類に含まれます。
しかし、食物繊維は消化液で分解することが出来ない多糖類であるため、余剰物として便と一緒に排泄されることになります。また、食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分類されます。
歴史
食物繊維の存在の発見は、紀元前の古代ギリシアの頃にまで遡ります。小麦を製粉した時に出るふすまには、消化できない成分があるということが当時の医学者であるヒポクラテスの著書に記述されています。しかし、近代まで食物繊維は省みられることは無く「食べ物の無駄な部分」と考えられてきました。
食物繊維の価値を発見したのは、ケロッグの創業者でもあるジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士です。その後、南アフリカにおける大腸ガンの研究を進めていたジョージ・オットルやオットルの研究を引き継いだバーキットなどによって食物繊維の有用性が徐々に知られるようになっていったのです。
含有食品
食物繊維は、野菜や果物などの植物や海草などの藻類やキノコなどの菌糸類の主要構成物質として自然界に存在しています。つまり、肉や魚で食物繊維を摂取することは出来ないのです。例外として、カニやエビなどの甲殻類の甲羅の成分として知られるキチン・キトサンは不溶性食物繊維に含まれます。
食物繊維の効果
食品から摂取された食物繊維は、どのような形で消化にかかわり便秘の解消を促しているのでしょうか。食物繊維が消化器内で起こす効果と共に紹介していきます。
噛む回数の増加
食物繊維を含む食品は、ほとんどが噛まなければ喉を通らないものです。噛む事によって唾液の分泌が促進され、虫歯になりにくくなり満腹感を感じやすくなります。
栄養吸収の遅延
消化物が胃から腸に送られる時、食物繊維は水分を吸収して膨張し消化物が腸に運ばれる速度を遅くします。これによって、栄養の吸収が遅くなり高血圧や高血糖が予防されます。また、コレステロールを吸収することで動脈硬化を予防する効果もあります。
腸内の清掃
食物繊維の大きな役目は、大腸において発揮されるといわれています。大腸に達した消化物は最終的な消化を受け便として排泄されることになるのですが、消化物に含まれていた食物繊維は、便の水分を保持する効果を発揮し排泄をサポートします。
この効果によって、便秘が解消されることになります。また、糖類の一種である食物繊維が糖類を好む善玉菌によって発酵されることで、腸内環境を酸性化させて善玉菌を活性化させる作用もあるのです。