The便秘
2011-12-2UPDATE
asumin
昔は軒先に柿をつるしている風景をよく目にしたものですが、最近では見かけなくなりましたね……。「干し柿を最近食べてないな~」という人も多いのでは!?干し柿は、食物繊維やβカロチンが豊富で、便秘の解消や肌の健康維持に効果的な食品です。地味なイメージの干し柿ですが、栄養価を知ったらきっとイメージが変わります!
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柿には薬効があり、「柿が赤くなれば医者は青くなる」と言われるほど、健康に役立てられてきた果物です。
柿にはビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンC・タンニン・カリウム・食物繊維多く含み、下記のような効果があります。
ご存知の通り、干し柿は柿を干したもの。干しただけで栄養価がアップするものもあれば、反対にダウンしてしまう栄養もあります。目的に合わせて柿と干し柿を使い分けると良いですね。
カロリー | βカロチン | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ビタミンC | カリウム | 食物繊維 | |
柿 | 60kcal | 420μg | 0.03mg | 0.02mg | 70mg | 170mg | 1.6g |
干し柿 | 276kcal | 1400μg | 0.02mg | 0 | 2mg | 670mg | 14.0g |
柿は干すことでビタミンB1・B2・Cは減少するものの、便秘解消に効果的な食物繊維やβカロチン、カリウムの含有量はアップします。
重量あたりの食物繊維の含有量が高まるため、普通の柿を食べるよりも効果的に食物繊維を摂取できるんです。 また、柿・干し柿には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれているため、高い便秘解消効果が得られます。
柿には、上記の表に含まれている成分の他にも、便秘の原因となるタンニンという成分が含まれています。
このタンニンという成分は、柿の渋味成分でもあります。だからと言って、渋柿にしかタンニンが含まれていないというわけではありません。タンニンには可溶性と不溶性があって、可溶性のタンニンが含まれている場合に、タンニンが唾液に溶けて強い渋味を感じさせるんです。
つまり、柿の渋味とは関係なく柿にはタンニンが含まれていて、渋柿には可溶性のタンニンが、甘柿には不溶性のタンニンが含まれています。
渋柿を干し柿にすると渋みが抜けるのは、可溶性のタンニンが不溶性のタンニンに変わるからです。
しかし、タンニンは整腸作用があって、下痢止めにも使用される成分です。
干し柿は、食物繊維や多くの栄養素を摂取することができますが、便秘の原因となるタンニンも含んでいるため、食べすぎには注意しなければいけません。
また、タンニンには鉄の吸収を阻害する働きもありますので、気になる場合には、食事の前後を避けて摂取すると良いでしょう。
特に、鉄分が不足しやすい妊婦さんは、食べる量・食べるタイミングに気をつけてくださいね。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2010年版)」では、食物繊維摂取量の目標値を18歳以上の女性は17g以上、男性は19g以上としています。
干し柿の大きさにもよりますが、一般的な大きさの干し柿(35g)を1個食べるだけで、4.9gもの食物繊維を摂取できるんです。干し柿は効率良く食物繊維を摂取できる食品ですが、先に紹介した鉄分の吸収を抑制するタンニンを含んでいることや、1個(35g)あたり96.6kcalと決してカロリーが低い食品ではないということを考慮して摂取する必要があるでしょう。
1日に摂取する干し柿は2コ程度にし、食事で食物繊維を摂取するように心がけると良いでしょう。