ニュース
Saito Jiro
「手作り」という言葉には、抗えない強い魅力とロマンがあります。「自分で苦労して手作りした」となればなおさらでしょう。
味噌、醤油、納豆など発酵食品が家庭でも手作り出来るなら、同じ発酵食品であるヨーグルトが手作りできないことは無いはずです。
目からウロコのヨーグルトを手作りする方法!
「必ず毎日ヨーグルトを食べないと気が済まない」、そんな生活習慣が身についている人も少なくないでしょう。
そして「自分で一からヨーグルトを作ってみたい!」、そう思ったことがある人も少なくないはずです。
だからこそ手作り感のあるカスピ海ヨーグルトは流行したと言えます。
しかし、「カスピ海ヨーグルトではなく市販されているようなヨーグルトを作りたい!」、そう考えている人だっているのです。
市販されているようなプレーンヨーグルトを手作りする方法とは、どのようなものなのでしょうか?
ヨーグルトの基本的な作り方をおさらいしてみよう
ヨーグルトは「乳および乳酸菌を原料とし、ブルガリクス菌とサーモフィルス菌が大量に存在しており、その発酵作用で作られたもの」と、国際的に定義されています。
原料となる「乳」は牛乳でも山羊の乳でも水牛の乳でも何でもいいのですが、ヨーグルトを作るための発酵を行なう乳酸菌にはブルガリクス菌とサーモフィルス菌が入っている必要があります。
では、ヨーグルトの発酵に欠かせないブルガリクス菌・サーモフィルス菌はどこから手に入れるのかというと、乳製品メーカー各社は「セイヨウサンシュユ」というミズキ科の花の枝から抽出したものを使用しているようです。
そして、雑菌が入り込まないように管理された環境で乳酸菌を牛乳等の乳に植え付け、乳酸発酵が活発に行なわれる温度を維持して半日から1日ほど置いておくと、ヨーグルトの出来上がりと言うわけです。
ヨーグルトを手作りする際の注意!
ヨーグルトを自分で手作りする場合、第一に気をつけなければいけないのが「衛生管理」です。
食べ物を作るのですから清潔に行なうのは当たり前のことですが、ヨーグルトが発酵食品である以上乳酸菌以外の菌による発酵・腐敗が起こるのは好ましいことではありません。
ヨーグルト作りに使う容器などは、必ず沸騰したお湯で煮沸消毒しておきましょう。
第二に気をつけるべきは「温度管理」です。
ヨーグルトを作るブルガリクス菌・サーモフィルス菌が活発に働く温度は40度前後。
この温度を維持できないと他の菌による発酵または腐敗が進み、ヨーグルトにならなくなってしまいます。
温度管理できるヨーグルトメーカーや保温バッグなどを利用して温度が下がらないように気をつけましょう。
手作りヨーグルトの作り方
家庭でヨーグルトを手作りする場合、ヨーグルトの元となる乳酸菌の入手法は「プレーンヨーグルトを種として使う」「サンシュユの枝を使う」「市販のヨーグルト種菌を使う」の三つに絞られます。
セイヨウサンシュユの近縁種であるサンシュユは日本各地で栽培されており、庭木としても人気が高い花です。
サンシュユもセイヨウサンシュユと同じ乳酸菌がついているのでヨーグルトに使えますが、雑菌が付いている可能性があります。
プレーンヨーグルトを種として使う場合、牛乳500ミリリットルに対して大さじ1杯が適量です。
市販の種菌の場合は指定された分量を使うようにしてください。
そして40度程度に温めた牛乳とヨーグルトを密閉できる容器に入れます。
ヨーグルトを作る乳酸菌は「嫌気性菌」といって、酸素の無い状態でも活発に活動出来る性質を持っています。
腐敗させる雑菌の多くは酸素がある状態で活発に活動する「好気性菌」なので、空気が入らないようにしなければなりません。
ヨーグルトメーカーや保温バッグ、毛布などで乳酸菌の発酵温度である40度に保ちながら12時間ほど寝かせます。
発酵が進んで牛乳が固まったら冷蔵庫に移して冷やせば出来上がりです。
毎日1カップ食べたい人なら、普通に買うよりは牛乳と種となるプレーンヨーグルトから自作した方が安上がりです。
牛乳の量に応じて作ることができるので、市販1カップ(110g程度)で足りない人にもオススメですね。
温度を一定に保つことができる専用のヨーグルトメーカーも売られており、2000円~6000円程度で購入できるので、検討してみたはいかがでしょうか。